May 4, 2011

その夜の妻


岡田時彦 市村美津子 八雲恵美子

その夜の妻その夜の妻は、小津安二郎第16作目の監督作品である。
1930年(昭和5年)に公開され、小津自身は27歳であった。
晩年、「自作を語る」の中では、次のように述べていた。

「「新青年」か何かに載っていた翻訳小説でね。
岡田(時彦)とはこの作品で一緒になったんだ。
全七巻のうち初めの一巻を除いて、あと終りまで一つのセットの中での芝居なんだよ。
それで夜も寝ずにコンティニュイティを考えたよ、苦心した写真だった。
その点でも随分ためになった作品だと思ってる。
出来た時、城戸さんが大変ほめてくれてね、保養に温泉へ行って来いと言ってくれたよ。」
(引用:「自作を語る」)

■ストーリー
画家の橋爪周二は、重病の娘みち子の治療費欲しさに強盗を働いてしまった。その頃、医師は母親まゆみにみち子は今夜が峠だが、何とかこれを乗り越えれば助かるだろうと告げた。

一方、橋爪は奪い取った札束を持ったまま、タクシーを拾い急いで二人の待つアパートへと向かった。だが、タクシーには運転手を装った刑事香川が乗っていたのだ。アパートへ着いた橋爪は、まゆみにみち子の病気が良くなったら自首するつもりだと言う。

そこへ香川がやってきて橋爪を逮捕しようとする。まゆみは気丈にも橋爪が隠し持っていた拳銃を香川の背中に突きつけた。その間、橋爪は懸命にみち子の看病をしていた。

しかし、看病疲れでうたた寝をしてしまったまゆみは、あっさりと拳銃を奪われてしまう。香川は、朝まで橋爪の逮捕を待つと言う。やがて夜が明けて、みち子の病状は安定した。

香川が居眠りしている隙にまゆみは橋爪を逃がすが、すぐに戻ってきてしまった。娘のためにも逃亡生活を続けるわけにはいかない、と観念したのだった。橋爪と香川は、泣き叫ぶみち子を抱いたまゆみに見送られてアパートを後にした。

岡田時彦・・・橋爪周二
八雲恵美子・・・その妻まゆみ
市村美津子・・・その子みち子
山本冬郷・・・刑事香川
斎藤達雄・・・医者須田
笠智衆・・・警官

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