May 7, 2011

東京の女


岡田嘉子 江川宇礼雄

東京の女東京の女は、小津安二郎第27作目の監督作品である。
1933年(昭和8年)に公開され、小津自身は30歳であった。
晩年、「自作を語る」の中では、次のように述べていた。

「これは大変急ぎの写真でね、撮影八日位だったかな。
本も書き上げないうちに掛ったんだ。
会社に勤めながら夜怪しげなバーに出てる女の話なんだが、
実際にそういう女の踊りを皆で観てて話を思い付いたんだ。
原作者の片カナは架空の人物だよ。
小じんまりまとまった写真が出来た。
画面のポジションなどもこの頃からキマって来た感じだね。」
(引用:「自作を語る」)

■ストーリー
大学生の良一は、姉ちか子と二人で暮らしている。ちか子は、昼間は商社でタイピストとして働き、夜は千駄ヶ谷の大学教授のところで翻訳の手伝いをしていると言っていた。

ある日、ちか子の会社に警官がやって来て、ちか子の素行を尋ねてきた。外で妙な噂が立っているので調べに来たというのだ。良一の恋人春江も、兄の木下巡査からちか子の話を聞いていた。

心配になった春江は、ちか子に直接話を聞こうと思い良一の家を訪ねた。あいにくちか子は戻っておらず、良一が一人で姉の帰りを待っていた。不審に思った良一に詰問され、春江はつい兄から聞いた話を洩らしてしまった。

妙な噂とは、ちか子が夜な夜ないかがわしい酒場に出入りし、男に体を売っているというのだ。姉から学費や生活費まで全ての面倒を見てもらっていたが、そんなことをして得た金だったのか、と良一は激しく動揺した。

深夜になって帰宅したちか子に、良一は事実を問い質した。ちか子は、すべては良一が無事大学を卒業して欲しいためにしたことで、自分を犠牲にしているのだという弁解を一切聞かず、良一はちか子を激しく殴ってしまう。

気が動転した良一は、深夜の暗闇の中へ消えていった。翌朝になって、ちか子は春江を訪ねるが、彼女も良一と一緒ではなかった。

やがて、木下巡査から良一が自殺したことを知らされる。ちか子と春江は、無念な気持ちを抱えたまま、良一の遺体にすがりついて泣いた。

岡田嘉子・・・ちか子
江川宇礼雄・・・良一
田中絹代・・・春江
奈良真養・・・木下巡査

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