May 11, 2011

浮草物語


八雲理恵子 坂本武

浮草物語浮草物語は、小津安二郎第31作目の監督作品である。
1934年(昭和9年)に公開され、小津自身は31歳であった。
晩年、「自作を語る」の中では、次のように述べていた。

「これは比較的よくいった作品でした。
「喜八物」といっても、別にシリーズじゃないが、喜八はいつも同じ性格の男なんだな……。
当時既にまわりは全部トーキーでね、僕ひとりサイレントで、
昭和七年、八年、そして九年のこれまでは旬報のベスト・ワンに入ったけれど、
翌十年にはさすがに駄目でしたね。」
(引用:「自作を語る」)

■ストーリー
旅役者の一座が小さな町へやってきた。座長の市川喜八が、この町へ来たのには理由があった。

喜八は、昔この町で一膳飯屋をやっていたおつねとの間に子供をもうけた。昔の女おつねと息子の信吉に会うために、喜八はやってきたのだ。しかし信吉は、父親は死んでおり喜八は自分の叔父であると聞かされていた。

喜八の情婦であり一座の看板女優でもあるおたかは、喜八がおつねと信吉のところへ出かけるのが面白くなかった。おたかは、一座の若手女優おときを使って、信吉を色仕掛けで誘惑させようと企んだ。

作戦は成功したかに見えたが、若い二人は本当に愛し合ってしまう。二人の関係を知った喜八は激怒し、おときをそそのかしたおたかを激しく叱り、絶縁すると言い放った。

一方、この町での客の入りが芳しくないうえ豪雨にもたたられ、あっという間に一座は経営が行き詰まり、たちまち解散に追い込まれた。喜八が別れを告げるためおつねの店へ行ってみると、信吉とおときは駆け落ちしていた。

二人はその晩店に戻ってきたので、喜八が実は信吉の父親であると吐露したが、もはや信吉は喜八を父親として受け入れてはくれなかった。すべてを失った喜八は、やはり自分には浮き草稼業しかないと悟り、駅へと向かった。待合室にはおたかが座っており、失意の二人はもう一度やり直すことを決意し汽車に乗った。

坂本武・・・喜八
飯田蝶子・・・おつね
八雲理恵子・・・おたか
坪内美子・・・おとき
三井秀男・・・信吉
突貫小僧・・・富坊
谷麗光・・・とっつぁん
西村青児・・・吉つぁん

Posted in 小津安二郎 映画Comments Closed 

関連記事

Translate »