May 27, 2011

彼岸花


有馬稲子 山本富士子 久我美子

彼岸花彼岸花は、小津安二郎第49作目の監督作品である。
1958年(昭和33年)に公開され、小津自身は55歳であった。
晩年、「自作を語る」の中では、次のように述べていた。

「はじめてのカラー映画だし、山本富士子さんを使うことでもあり何か派手な喜劇にしようと思ってつくった。
もっともぼくは、別にカラーでやるつもりはなかった。
会社が山本さんだからカラーにしてくれというので、やったまでです。」
(引用:「自作を語る」)

■ストーリー
商社で取締役をしている平山渉は、妻の清子、長女の節子、次女の久子の4人で暮らしている。ある日、平山の会社に谷口正彦という青年が訪ねてきた。

谷口は、唐突に節子との結婚を認めてほしいと言ってきた。何でも広島への転勤が決まっており、その前に結婚式を挙げたいというのだ。呆気にとられた平山は、少し考えさせてほしいと言って谷口を帰らせた。

家へ帰った平山は、さっそく節子に事の真相を問いただしたが、節子ははっきりとしたことを話したがらない。腹を立てた平山は、断固として谷口との結婚は認めないと明言するのだった。

今度は、中学時代からの親友三上が平山の会社を訪ねてきた。三上にも文子という適齢期の娘がいたが、長沼一郎という男と同棲しており、銀座のバーに勤めているらしいという。三上は自分が行くわけにはいかないので、代わりに平山に様子を探ってきてほしいと頼みに来たのだった。

平山は、仕方なく部下の近藤と銀座のバーへ行ってみた。文子に話を聞いてみると、何でも自分の思い通りにしようとする三上の考え方に反発しており、長沼とのことも真剣に考えていることがわかった。まるで自分と節子のことを聞いているようだったが、友人の娘には極めて客観的な助言をする平山だった。

ところが、自分の娘のこととなると全く聞く耳を持たず、頑固な父親になってしまうのだ。そこへ、京都から姪の幸子が平山のところへやってきた。幸子は、母親が強引にお見合いの話を決めてしまい、納得できずに家出してきたという。

平山はここでも物分りの良い顔をし、結婚は当人同士の問題なのだから自分の好きにすれば良いとアドバイスをする。しかし、これは節子と幸子が事前に話し合って仕組んだ芝居だった。平山は、節子にも同じことを言わなければならなくなり、谷口とのことも認めざるを得なくなってしまった。

その後、二人の結婚話は順調に進んだが、本心からは納得していない平山は式にも披露宴にも出ないと意地を張り続けた。谷口と節子は、転勤先の広島へと旅立った。

平山は、愛知で中学の同窓会に参加したあと、京都の幸子と母初のもとを訪ねた。そこで平山は幸子から、「父が最後まで笑顔を見せてくれなかったことが心残りだった。」と節子が話していたと聞かされた。自分のせいで娘に可哀想な思いをさせてしまったと気付いた平山は、幸子と初に促されて節子に会うため広島行きの汽車に乗った。

佐分利信・・・平山渉
田中絹代・・・平山清子
有馬稲子・・・平山節子
桑野みゆき・・・平山久子
佐田啓二・・・谷口正彦
浪花千栄子・・・佐々木初
山本富士子・・・佐々木幸子
中村伸郎・・・河合利彦
清川晶子・・・河合伴子
北竜二・・・堀江平之助
笠智衆・・・三上周吉
久我美子・・・三上文子
高橋貞二・・・近藤庄太郎
桜むつ子・・・女給アケミ
渡辺文雄・・・長沼一郎
高橋とよ・・・若松の女将
十朱久雄・・・曽我良造
長岡輝子・・・派出婦富沢
菅原通済・・・同窓生菅井
江川宇礼雄・・・同窓生中西
橘一枝・・・女中お松

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