Jun 6, 2011

石原裕次郎「小津調」を熱唱する

石原裕次郎主演の「あじさいの歌」は、1960年(昭和35年)に公開された。
ちょうど、「浮草」と「秋日和」の中間頃にあたる。
当時、斎藤高順の音楽は「小津調」と呼ばれていた。
「あじさいの歌」は、斎藤にとって29本目の映画音楽だったが、後になって「何を書いても“小津調”とからかわれた」と当時のことを述懐していた。
確かに、裕次郎が歌う「あじさいの歌」は“小津調”そのものである。
石原裕次郎が斎藤の曲を歌ったのは、この1曲のみであった。

■ストーリー
商業デザイナーの河田藤助は、道で足を悪くした老人に出会った。
気の毒に思った藤助は、老人を背負って家まで送り届けることにした。
老人は倉田源十郎といい、古い洋館風の邸宅に住んでいた。
源十郎と藤助を出迎えたのは娘のけい子だったが、藤助はその可憐な美しさに驚かされた。
源十郎が病院へ向かった後、藤助は庭に咲くあじさいの花の前で、けい子をモデルに写真を撮らせてもらった。けい子の母は、まだけい子が幼い頃源十郎の会社の部下と駈け落ちしたのだった。
源十郎はそれ以来、けい子を外出させなくなり、外部の人間との接触を禁じた。
けい子の勉強は家庭教師に見てもらい、けい子が接触できるのは唯一家庭教師の葉山だけだった。
藤助は、けい子にとっては久しぶりに接触を許された男性だった。
藤助が写したけい子の写真は、「あじさいの歌」と題してデパートの写真展に出展された。
会場では、けい子の写真を欲しがる中年男性が現れた。
その中年男性は、昔けい子の母いく子と駈け落ちをした藤村だった。
やがて、けい子といく子は再会し、いく子はけい子と藤助の交際を祝福した。
倉田家の邸宅は、藤助の手によって大規模な模様替えを行うことになった。
源十郎は、家庭教師の葉山と再婚することになった。
久しぶりに倉田家を訪れたいく子は、変わりゆく家や家族たちを見て感慨に耽るのだった。

石原裕次郎・・・河田藤助
芦川いづみ・・・倉田けい子
東野英治郎・・・父源十郎
轟夕起子・・・長沢いく子
大坂志郎・・・藤村義一郎
小高雄二・・・島村幸吉
中原早苗・・・島村のり子
杉山徳子・・・葉山先生
殿山泰司・・・木村勇造
北林谷栄・・・妻元子
山田禅二・・・安田先生
片桐恒男・・・八坂先生
渡のり子・・・狭山秘書
高野誠二郎・・・吉村支配人
青木富夫・・・警官
須藤孝・・・写真展の受付

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