Aug 22, 2016

ヨーロッパでの小津人気

小津映画はヨーロッパでも大変人気がありますが、中でも『秋刀魚の味』をとても面白いと感じる人が多いようですね。これは、フランス在住のピアニスト伊藤隆之さんからお聞きしました。

『秋刀魚の味』は、フランス、イタリア、スペインでは『酒の味』というタイトルで上映されているそうですが、これはお酒を呑むシーンがとても多い映画だからということもありますが、真相は秋刀魚という魚がヨーロッパではあまり馴染みがないことからのようです。
フランスの方が、日本のサラリーマンは昼間からあんなにお酒ばかり呑んでいるのか!?と驚いたそうですが、聞くところによるとフランスでは昼食にワインを呑むのは当たり前らしく、つい最近まで飲酒運転も珍しいことではなかったとのことで、生真面目な印象の日本人の飲酒シーンにかえって親近感を抱いたのかも知れません。

改めて『秋刀魚の味』を観直してみましたが、確かにお酒を呑む場面が多く、全部で15~16箇所も出てきます。特に面白いのは、笠智衆さんと東野英治郎さんが酔っ払いを演じるシーンです。実は、お二人とも全くお酒が呑めなかったそうで、そんな二人に小津監督は見事な酔っ払いの演技をさせています。

名優ならではの素晴らしい演技ですが、小津監督の演出の巧みさには感嘆せざるを得ません。一方、お酒が呑める俳優の証言によると、宴会のシーンでは本物のお酒が用意されていたらしく、中村伸郎さんはカメラの前で本当にビールや日本酒を呑んでいたと後に語っています。小津監督は、呑んべえの役者さんに対して「出演料から酒代は引いておくからね。」と言ってからかったそうですが、いかにも小津監督らしいお茶目なエピソードです。

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