Jan 19, 2014

『サイト・アンド・サウンド』の重大なミステイク

英国映画協会(BFI)が発行している『サイト・アンド・サウンド』(Sight & Sound)という映画専門誌がある。
『サイト・アンド・サウンド』誌は、1952年より10年に一度、過去に公開された全映画作品のランキング(THE GREATEST FILMS OF ALL TIME)を発表しており、このランキングは世界で最も権威があり信頼性が高いものと言われている。
直近では、2012年9月号(2012年8月発行)に批評家846人による “THE TOP 100 FILMS”、映画監督358人による “Top ten films” のランキングに関する記事が掲載されている。

今回、いつも欧米作品が上位を占めるランキングに異変が起きた。
小津安二郎の『東京物語』が “THE TOP 100 FILMS” で第3位、”Top ten films” では第1位に選ばれたのである。
これまでにも、溝口健二の『雨月物語』、黒澤明の『七人の侍』がランキング上位に登場したことはあったが、日本映画がこれほど高く評価されたことは過去にはなかった。
また、”TOP 25 DIRECTORS” では小津安二郎は第4位となっており、ヒッチコックやゴダール、オーソン・ウェルズらと肩を並べる世界の巨匠と目されている。

このニュースは各新聞にも取り上げられたが、あまり大きな扱いではなかったので見落としてしまった人も多いのではないだろうか。
実は私も完全に見落としてしまい、最近になってネット上の記事から知ることとなった。
これは大変な快挙であり、小津映画関係者にとってはとても誇りに思えるような出来事である。

『東京物語』が世界一の映画に選ばれた。
『東京物語』の映画音楽が世界中の人々の耳に届き、亡父(斎藤高順)の名前も世界に広く知れ渡るようになるに違いない。
「オヤジさん、凄いよ!」
この喜びを父に伝えたい。そう心に強く願っていたところ、父が夢に現れた。
「オヤジさん、やったよ。『東京物語』が世界一の映画に選ばれたよ。オヤジさんは世界一の音楽家だよ、おめでとう!」
私は夢の中の父に向かってそのように告げた。
ところが、夢の中の父は無表情のまま何も話さず、表情もどこか冴えなかった。
何だろう? 何か言いたいことがあるのかな?

目が覚めてからも何か引っかかるものがあった。
『サイト・アンド・サウンド』という言葉がどうも気になる。
そうだ、イギリスの “Sight & Sound” のWebサイトを見てみよう、何か父に関する記事が出ているかも知れない。
そう考え、”sight & sound tokyo monogatari” と検索してみた。

すぐに、BFI(British Film Institute)のホームページから “Tokyo Monogatari” の記事へ辿りつくことができた。
“Cast & Credits” のリンクをクリックし、”Music” を探し出した。
Music Ichiro Saito
Ichiro Saito ?
じぇじぇじぇっ!!
父の名前は、斎藤高順である。
ローマ字表記は Takanobu Saito である。
高順を Takanobu とは日本人でもなかなか読めないと思う。
Kojun と呼ぶ人もいたし、外国のサイトでは “Kojun Saito” と紹介されている場合もある。
しかし、”Ichiro Saito” は全くの別人である。
これは完全なるミステイクである。
大問題である!

そうか、父はこれを伝えたかったのか・・・。
このとき初めて、父が夢に現れた理由が分かった。
さらに調べてみると、『東京物語』以外の作品も、父が手掛けたものは全て “Ichiro Saito” になっていた。
何故このような間違いが起こり、放置されたままになっているのか全く理解できない。
よりによって、世界で最も歴史があり権威のあるBFIが運営するWebサイト上で、このように有り得ない間違いが犯されているとは・・・。
世界中の映画ファンが参考にするであろうWebサイトだけに、ショックであり残念な気持ちで一杯である。

とにかく、急いでBFIへ連絡しなくてはならないが、中学生レベルの英語力しかない私が問い合わせても無理があるので、JASRACと松竹へ連絡してみることにした。
どちらからもすぐに返答があり、誤りの事実は確認できたのでこれから先方へ問い合わせてみる、とのことであった。
あれから一ヶ月ほど経つが、まだWebサイトは間違ったままだし、どのような状況なのかの報告も来ていない。
このままウヤムヤになることはないと思うが・・・。
父が再び夢に現れる前に、なんとか手を打たなければならない。

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