岸恵子 須賀不二夫 高橋貞二 池辺良

早春早春は、小津安二郎第47作目の監督作品である。
1956年(昭和31年)に公開され、小津自身は53歳であった。
晩年、「自作を語る」の中では、次のように述べていた。

「久方振りに取り上げたサラリーマンもので、会社員の生活を描いて見たかった。
大学から社会に出た喜び、会社につとめた時の希望が、だんだん崩れ、三十年つとめてもたいしたことにはならない。
会社員生活を世代の変化からとらえ、そこにサラリーマンの悲哀のようなものが出せればと思ってね。
戦後の作品では一番長尺ですよ。
しかしぼくとしては、なるべく劇的なものを避け、何でもないシーンを積み重ねて、見終ったあとサラリーマンの生きる悲しみが感じられるようにつくったつもりなんだが。」
(引用:「自作を語る」)

■ストーリー
杉山正二と昌子は結婚して8年程になるが、子供を病気で亡くしてから二人きりで暮らしていた。二人は倦怠期を迎えており、昌子は絶えず正二に不満を感じていた。

正二は、蒲田から東京まで電車通勤するサラリーマンだが、毎朝同じ電車に乗って通勤する仲間がいた。近頃では、すっかり仲良くなった通勤仲間たちと、仕事帰りに麻雀やパチンコをするのが日常化していた。一方の昌子は寂しさを紛らわすため、五反田でおでん屋をやっている母しげの店を訪れては、正二のことで愚痴をこぼしたりしていた。

ある日曜日、正二は通勤仲間たちと江ノ島へ遊びに出かけた。その頃から、正二は仲間の一人キンギョ(金子千代)と急速に親しくなり、ついに一夜を共に過ごしてしまう。正二とキンギョの関係は仲間たちに知られてしまい、キンギョは仲間から責められた。そのことを正二に訴えるため、キンギョは杉山家へやってきた。

正二と昌子の間に険悪な空気が漂い、昌子は家から出て行ってしまう。妻との関係は悪化し、仲間たちからは冷たい目で見られ、すっかり四面楚歌に陥った正二に、岡山への転勤話が持ち上がった。昌子は学生の頃の友人富永栄のアパートにおり、今後のことについて話し合っていた。

正二は、昌子との関係を修復できないまま、単身岡山の工場へ赴任した。ある日、正二が工場から部屋に戻ると、そこには昌子が待っていた。二人は、お互いに至らなかった点を詫び、もう一度やり直そうと誓い合うのだった。

池部良・・・杉山正二
淡島千景・・・杉山昌子
浦辺粂子・・・北川しげ
田浦正巳・・・北川幸一
宮口精二・・・田村精一郎
杉村春子・・・田村たま子
岸恵子・・・金子千代=キンギョ
高橋貞二・・・青木大造
藤乃高子・・・青木テルミ
笠智衆・・・小野寺喜一
中北千枝子・・・富永栄
山村聡・・・河合豊
三宅邦子・・・河合雪子
増田順二・・・三浦勇三
長岡輝子・・・母さと
東野英治郎・・・服部東吉
須賀不二男・・・田辺
加東大介・・・坂本
菅原通済・・・管井のツーさん

sight-and-art.org

動画について

①ブルー・インパルス ②オーバー・ザ・ギャラクシー ③オンリー・ワン・アース ④輝く銀嶺 ⑤東京物語(吹奏楽アレンジ) ⑥彼岸花(吹奏楽アレンジ) ⑦秋刀魚の味(吹奏楽アレンジ)

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