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引越し夫婦
大国一郎 吉川満子 渡辺篤
1928年9月28日公開。
脚本、ネガ、プリントなし。
引越し夫婦は、小津安二郎第5作目の監督作品である。
1928年(昭和3年)に公開され、小津自身は25歳であった。
晩年、「自作を語る」の中では、次のように述べていた。
「これも会社からの当てがわれ脚本です。
当てがわれでも、自分でこれならやれると思う時には承知して撮ったんだね、当時は。
この時もいささか自分なりの試みをしようと思う処があってね。
そういう監督のあそびみたいなことがやれたんだ。
だが撮り上げてから大部短く切られてしまったので、思ったほどの写真にはならなかった。」
(引用:「自作を語る」)
■ストーリー
家具屋が、請求書を持って藤岡家を訪れた。すると、藤岡夫婦はすでに引越しており、家には誰もいなかった。ようやく、藤岡夫婦の新居を探し当てたが、妻の千代子は請求額の一部しか支払おうとしない。
千代子は、夫の英吉が勤めている薬屋に立ち寄った。そこで、店番の娘といちゃついている夫の姿を見てしまい、腹を立てた千代子は黙って家へ帰ってしまう。
また、英吉が帰宅すると、今度は家主の息子と妻がいちゃついており、それを見た英吉は激怒した。夫婦喧嘩のあと、二人はまた引越しすることにした。
しかし、薬屋の娘と家主の息子が婚約していることを知り、お互いに誤解があったことが分かった。仲直りした二人は、引越しを取りやめにした。
渡辺篤・・・藤岡英吉
吉川満子・・・妻千代子
大国一郎・・・家主
中濱一三・・・その息子清一
浪花友子・・・薬屋の娘
大山健二・・・集金人