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足に触った幸運
月田一郎 斎藤達雄 関時男
1930年10月3日公開。
脚本、ネガ、プリントなし。
足に触った幸運は、小津安二郎第18作目の監督作品である。
1930年(昭和5年)に公開され、小津自身は27歳であった。
晩年、「自作を語る」の中では、次のように述べていた。
「さて、これはどんな写真だったかな?
一向に思い出せない。」
(引用:「自作を語る」)
■ストーリー
薄給のサラリーマン古川貢太郎は、通勤の途中で新聞紙に包まれた四千円の落し物を見つけた。すぐに落し主が見つかり、謝礼に三百円を貰った。その話は会社中に広まった。
古川は、同僚から借金を申し込まれたり、バーでたかられたり散々な目にあった。翌朝になると、古川の手もとには百八十円しか残っていなかった。
今度は、会社の上司から一緒に養鶏場を経営しないかと持ちかけられる。古川はその気になるが、妻の俊子がミシンと着物を買ってしまった。二人は金のことで口論になった。
翌朝、古川は再び新聞紙に包まれた落し物を見つける。一瞬期待したものの、中身は残飯だった。意気消沈した古川は、沈痛な面持ちで会社へ向かった。
斎藤達雄・・・古川貢太郎
吉川満子・・・その妻俊子
青木富夫・・・息子
市村美津子・・・娘
坂本武・・・課長