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お嬢さん
岡田時彦 田中絹代 斎藤達雄
1930年12月12日公開。
脚本現存、ネガ、フリントなし。
お嬢さんは、小津安二郎第19作目の監督作品である。
1930年(昭和5年)に公開され、小津自身は27歳であった。
晩年、「自作を語る」の中では、次のように述べていた。
「この写真はね、喜劇の大ものをこしらえようという会社の方針で出来たんだ。
当時としては相当のスターも使ってるし、僕としても大変力をこめて作ったものだった。
スタッフのギャグマンの中にある、ジェームス・槇、ね。
これは僕だと思われてるんだが、最初は伏見、池田、僕、北村小松達の間で皆が使おうと話しあった架空のペン・ネームなんだよ。
処が名前が決っても誰も使わない、結局小津専用ということになってしまったんだな。」
(引用:「自作を語る」)
■ストーリー
若手の新聞記者岡本と斎田は、社会面の取材記事を書くため東京の街を駆け回っていた。しかし、行く先々でライバル社の女性記者「お嬢さん」に出し抜かれ、特ダネを持っていかれてしまう。
二人は地団駄を踏んで悔しがったが、やがて「お嬢さん」と顔見知りになった。今度は三人で怪しげなクラブに潜入し、覗き趣味のある金持ちの男へ取材を行った。
この秘密クラブの暴露記事は、岡本が書くことになった。岡本も斎田も「お嬢さん」のことが好きになってしまう。「お嬢さん」をめぐって、二人は恋のライバルになっていく。
栗島すみ子・・・お嬢さん
岡田時彦・・・岡本時雄
斎藤達雄・・・斎田達次
田中絹代・・・キヌ子
大国一郎・・・新聞記者
山本冬郷・・・俳優学校の校長