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春は御婦人から
城多二郎 泉博子
1932年1月29日公開。
脚本のみ現存、ネガ、プリントなし。
春は御婦人からは、小津安二郎第23作目の監督作品である。
1932年(昭和7年)に公開され、小津自身は29歳であった。
晩年、「自作を語る」の中では、次のように述べていた。
「これも映画を疑ってた頃のだからね、詳しいことは忘れてしまった。
「淑女と髯」頃からかな、コンティニュイティを建てるのもよしてしまって撮ってたよ。
むろんコンテを建てて撮れば幾分安心してられるが、結局どちらでも同じことだね、却ってコンテなしでやった方が、先のショットまで見透せるんじゃないかな。」
(引用:「自作を語る」)
■ストーリー
学生の吉田と加藤は仲の良い友人だが、二人とも洋服屋に借金があった。試験勉強中にもかかわらず、洋服屋の坂口から代金回収のため追いかけ回されている。
坂口に捕まった加藤は、自分の身代わりに試験を受けてくれれば洋服代を支払うと約束した。だが、坂口は全く試験ができなかった。一方、吉田は卒業試験に通り、就職先も決まった。
坂口は、これで吉田から洋服代を回収できると期待したが、吉田はまるで借金を返す気がなかった。おまけに、吉田は坂口の妹美代子と結婚の約束までしてしまう。やけっぱちになった坂口は、通りがかりの学生を捕まえては洋服代の請求書を突きつけた。
城多二郎・・・吉田
斎藤達雄・・・加藤
井上雪子・・・美代子
泉博子・・・まさ子
坂本武・・・坂口
谷麗光・・・社長