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会社員生活
吉川満子 斎藤達雄 青木富夫
1929年10月25日公開。
脚本、ネガ、プリントなし。
会社員生活は、小津安二郎第11作目の監督作品である。
1929年(昭和4年)に公開され、小津自身は26歳であった。
晩年、「自作を語る」の中では、次のように述べていた。
「これからあとの会社員物の、いわばハシリだね。
例によってのナンセンスなんだが、それを割合リアルなタッチで描こうとした処が狙いだった。
――そうそう、この写真は僕としては珍らしく、オーヴァーラップを使っているんですよ。
ただこれ一本だけだった。
朝の感じを出す処で使ったんだ。
使ってみて、便利ではあるがつまらんものだと思ったね。
そりゃ、使い方によればいいものですよ。
しかし、大部分はゴマカシでしょう。
ごまかしのオーヴァーラップはいやだね。」
(引用:「自作を語る」)
■ストーリー
塚本信太郎は、ボーナスを貰ったその日に突然会社をクビになった。妻の福子はボーナスを心待ちにしていたので、自分が急に会社から解雇されたことを言い出せなかった。
ちょうど、友人の岡村から自分の会社の仕事を手伝って欲しいと打診されていたが、福子は何も知らずに断ってしまう。その後、塚本の会社の同僚が訪ねてきて、塚本を復職させようとしていることを彼に告げた。
初めて真実を聞かされた福子は激怒したが、信太郎が家族に心配をかけまいとして黙っていたことを思い許した。再び、岡村から塚本に自分の会社へ来るように申し出があった。今度は福子も賛成し、夫婦間の問題は一気に解決した。
斎藤達雄・・・塚本信太郎
吉川満子・・・妻福子
青木富夫・・・三男
坂本武・・・岡村