斎藤高順とブラスロックの関係

父高順の指揮による、航空自衛隊音楽隊が演奏するブラスロックのアルバムが見つかりました。父の代表作「ブルー・インパルス」が世に出たのが1970年でしたが、奇しくも日本でブラスロックが流行り始めた時期も1970年頃からでした。

私がブラスロックに興味を持ち始めたのはもう少し後のことですが、中学生になった頃は洋楽が全盛の時代で、アメリカンポップスをはじめ、ハードロック、プログレッシブロック、グラムロック、そしてブラスロックが注目され始めた時期でした。クイーンが登場する数年前のことです。

私はシカゴ、チェイス、BSTに興味を感じ、お小遣いでシングル盤やアルバムを購入し、繰り返し聴いていました。父が吹奏楽の作曲に、本格的に取り組み始めたのもこの頃でした。当時、私は反抗期の真っ只中で、父とはろくに口も効きませんでしたが、私がブラスロックのレコードを聴いていると、珍しく父が部屋へ入ってきて、「この音楽は何かな?」というようなことを尋ねてきたことがありました。

私は、自分の好きな音楽に父が関心を示したことが内心は嬉しかったのですが、何しろ反抗期ですから、いかにも面倒くさそうに返答したように記憶しています。それからしばらく、父は私がブラスロックのレコードを聴いていると、よく一緒になって聴いていたことを思い出しました。

間もなく、父は航空自衛隊音楽隊長に転身しましたが、相変わらず私にはどうでもよいことであって、父の仕事には一切関心がありませんでした。父がブラスロック作品を演奏会で採り上げたり、ブラスロックのアルバムを録音したとかいう話を聞いたような気もしますが、ほとんど気にも留めなかったのだと思います。私が好きなブラスロックは、あくまでシカゴやチェイス、BSTが演奏する楽曲であり、航空自衛隊音楽隊が演奏するブラスロックなどニセモノに過ぎないと勝手に決めつけていたのです。

航空自衛隊音楽隊が演奏した「ブラスバンド・プレー・ブラス・ロック」のLPは、父が私のために企画した作品だったのかも知れません。ろくに口も効かず、何を考えているのかも分からない反抗期の息子と、何とかコミュニケーションを取りたい…。そう考えた父が、私の好きなブラスロックの曲を録音することにより、心の交流を図りたいと願っていたのかな…などと、今になってみるとそんな気がしてなりません。

なぜならば、当時私が最もよく聴いた「イントロダクション」「クエッション’67’68」(シカゴ)、「黒い炎」「オープン・アップ・ワイド」(チェイス)、「スピニング・ホイール」(BST)が含まれていたからです。それにしても、このアルバムに収録されているブラスロックは、今聴いても圧巻の演奏としか言いようがありません。当時、第一線で活躍するスタジオミュージシャンを招集し、最高水準の演奏を披露しています。

LPからデジタル化した音源を作成しました。「イントロダクション」「クエッション ’67 ’68」(シカゴ)、「黒い炎」「オープン・アップ・ワイド」(チェイス)、「スピニング・ホイール」(BST)の各曲をアップしました。また、「ブラスバンド・プレー・ブラス・ロック」の詳細については、こちらをご覧ください。
ブラスバンド・プレー・ブラス・ロック|BRASS BAND PLAYS BRASS ROCK

sight-and-art.org

動画について

①ブルー・インパルス ②オーバー・ザ・ギャラクシー ③オンリー・ワン・アース ④輝く銀嶺 ⑤東京物語(吹奏楽アレンジ) ⑥彼岸花(吹奏楽アレンジ) ⑦秋刀魚の味(吹奏楽アレンジ)

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