劇団にんげん座50周年公演に小津映画音楽が登場♪
浅草の劇団にんげん座50周年公演に小津映画音楽が流れます。劇団代表の飯田一雄先生は、学生の頃『名犬ラッシー』を観るために映画館へ足を運びましたが、たまたま二本立てで上映された小津安二郎監督の『麦秋』を観て、言葉を失うほどの衝撃を受けたそうです。
小津映画にすっかり魅了された飯田青年は、『東京物語』を観てさらに衝撃を受けますが、これまでと音楽が違うことに気付き、小津映画音楽にも関心を持つようになりました。飯田青年は小津映画の熱烈な愛好者でしたが、同時に小津映画音楽に対しても強い愛着を感じ、作曲家斎藤高順の存在を意識するようになったのです。
『東京暮色』については、公開当時からあまり良い印象はなかったとのことですが、劇中に流れる「サセレシア」が頭から離れず、失敗作と言われた『東京暮色』の唯一の救いは音楽が良かったことだとも仰いました。しかし、最近になって観なおしてみると、『東京暮色』は音楽のみならず作品そのものも大変素晴らしく、年齢を経て初めて分かる奥深さがあり、そのような映画を撮り続けた小津監督の偉大さを再認識したそうです。
劇団にんげん座は、昭和のアチャラカ喜劇を継承する最後の劇団です。かつてはテレビでも放送されていた浅草人情喜劇ですが、今や風前の灯火となってしまいました。今回が最後とも囁かれるにんげん座公演を、この機会に是非ご覧になってみてはいかがでしょうか。
以下に、飯田一雄先生のご挨拶文とチラシから抜粋した情報を掲載します。
『ご挨拶』
かつて浅草には芸人達がたくさんいました。
あのにぎやかで人情あふれる街は何処へいったのでしょうか、劇団にんげん座は『浅草のいい時代はこうだったんだぜ』と語りかけます。
いまはない国際劇場はSKDレビューの発祥の地です。その豪華絢爛な大舞台を埋める200人もの踊り子たち。フィナーレを飾る息を呑む一瞬、華麗に登場する男装の麗人。その夢の再現、春日宏美さんが今回の劇団にんげん座の舞台に現れます。いつも当劇団を声援くださる元SKDの西紀佐江子さん、滝真奈美さん、瞳ゆりさん等も舞台を彩ります。多彩な出演者のなか、特筆すべきは講談界の重鎮、一龍齋貞心先生の登場です。数々の傑作な話芸の達人が演技者として大輪の花を咲かせてくれます。また小津映画の名作『東京物語』『秋刀魚の味』を音楽で支えた斎藤高順氏のご子息斎藤民夫氏が今回の舞台に往年の映画音楽をちりばめてくれるのも楽しみです。
劇団にんげん座が誇るべき後援者に日本のジャズ界を余すところなく評論されてきた、日本ポピュラー音楽協会名誉会長、瀬川昌久先生(97歳)も長きにわたり当劇団を見守り応援くださっています。天国からは最大の理解者、永六 輔さん、小沢昭一さん、女剣劇の浅香光代さんらが手を振ってくれています。また10年前に出演してくださった長門勇さんの姿もあります。大勢の有志に囲まれて意気軒高。開幕に胸を躍らせている毎日です。
飯田一雄
【制作スタッフ】
作・演出:飯田一雄
舞台監督:清水義幸
舞監補佐:佐藤大幸
美 術:江連亜花里
照 明:木村養二
音 響:越川徹郎
音 楽:斎藤民夫、増井裕子
映 像:アップライト
写 真:大平和夫
作 画:山本敦司
装 置:原えつお
文 芸:園田二郎
総 務:稲川實、面谷哲郎、平賀孝男、井上透、飯田俊策、稲川和文、飯田美佐子
協 力:代野英人、堀木怜、松竹衣裳、宮川かつら、藤浪小道具
【公演日】
2022年・4/1(金)4/2(土)4/3(日)
〈昼の部〉11:00~13:30
〈夜の部〉16:00~18:30
※客席開場は全日とも開演の1時間前となります。
【入場料】
全席自由席5,000円(前売り4,500円)
チケットご購入/お問い合わせ
劇団にんげん座チケットセンター
☎03-3589-8479(平日9:00~18:00)
【会 場】
雷5656会館ときわホール(5階)
〒111-0032
東京都台東区浅草3-6-1
☎03-3874-5656
【アクセス】
東武スカイツリーライン・東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線
「浅草駅」徒歩約10分
つくばエクスプレス
「浅草駅」徒歩約5分