「劇団にんげん座50年史」2022年3月30日東京新聞朝刊
台東区文化財調査報告書第五集「浅草六区」興行と街の移り変り
音楽:斎藤高順「サセレシア」
演奏:サイトウ・メモリアルアンサンブル
2022年3月30日の東京新聞朝刊に、私の顔写真入りで「劇団にんげん座50年史」(にんげん座50周年記念DVD)の記事が掲載されました。1週間ほど前の24日に、中目黒で東京新聞の小形記者から取材を受け、完成したばかりのパッケージ(バトルロイヤル風間氏デザイン)を初披露しました。
記念DVDを制作するために、過去の映像を50時間以上は鑑賞したと思います。しかし、最も古い映像が1989年(平成元年)のもので、昭和の時代に演じられた作品は収録できませんでした。ビデオテープに記録された作品の一部は残っていたようですが、保存状態が良くなかったせいか、劣化が酷くカビが生えてしまったものもあり、残念ながらデジタル復元は叶いませんでした。
また、個人的な見解に過ぎませんが、にんげん座のお芝居は昔のものほど面白かったように感じました。脚本の質、演者の力量ともにレベルが高く、浅草の軽演劇特有の空気感を醸し出していたように私の目には映りました。
にんげん座主宰の飯田一雄氏は50年間を振り返り、「演者の方が、観客の人数よりも多かったことなど何度もあったし、毎回赤字続きでもあきらめずに続けてきた。なぜならば、自分は芝居が何よりも好きだから、中途半端にやめることはできなかった。」と話してくれました。
「劇団にんげん座50年史」は、浅草軽演劇にとって最後の生き証人となった飯田一雄氏の執念を結集した貴重な歴史的記録といえるでしょう。