『サイト・アンド・サウンド』の重大なミステイク

英国映画協会(BFI)が発行している『サイト・アンド・サウンド』(Sight & Sound)という映画専門誌があります。『サイト・アンド・サウンド』誌は、1952年より10年に一度、過去に公開された全映画作品のランキング(THE GREATEST FILMS OF ALL TIME)を発表しており、このランキングは世界で最も権威があり、信頼性が高いものと言われています。直近では、2012年9月号(2012年8月発行)に批評家846人による “THE TOP 100 FILMS”、映画監督358人による “Top ten films” のランキングに関する記事が掲載されています。

今回、いつも欧米の作品が上位を占めるランキングに異変が起きました。小津安二郎の『東京物語』が “THE TOP 100 FILMS” で第3位、”Top ten films” では第1位に選ばれたのです。これまでにも、溝口健二の『雨月物語』、黒澤明の『七人の侍』がランキング上位に登場したことはありましたが、日本映画がこれほど高く評価されたことは過去にはなかったことです。

また、”TOP 25 DIRECTORS” では小津安二郎は第4位となっており、ヒッチコックやゴダール、オーソン・ウェルズらと肩を並べる世界の巨匠と認識されています。このニュースは各新聞にも取り上げられましたが、あまり大きな扱いではなかったので、見落としてしまった人も多いのではないでしょうか。実は私も完全に見落としてしまい、最近になってネット上の記事から知ることとなったのです。これは大変な快挙であり、小津映画関係者にとってとても誇りに思えるような出来事です。

『東京物語』が世界一の映画に選ばれた。『東京物語』の映画音楽が世界中の人々の耳に届き、亡き父(斎藤高順)の名前も世界に広く知れ渡るようになるに違いない。
「オヤジさん、凄いよ!」
この喜びを父に伝えたい。そう心に強く願っていたところ、父が夢に現れたのです。
「オヤジさん、やったよ。『東京物語』が世界一の映画に選ばれたよ。オヤジさんは世界一の音楽家だよ、おめでとう!」
私は夢の中で、父に向かってそのように告げました。ところが、夢の中の父は無表情のまま何も話さず、表情もどこか冴えなかったのです。何だろう…? 何か言いたいことがあるのかな?

目が覚めてからも、何か引っかかるものがありました。『サイト・アンド・サウンド』という言葉がどうも気になる…。そうだ、イギリスの “Sight & Sound” のWebサイトを見てみよう、何か父に関する記事が出ているかも知れない。そう考え、”sight & sound tokyo monogatari” と検索してみました。

すぐに、BFI(British Film Institute)のホームページから “Tokyo Monogatari” の記事へ辿りつくことができました。”Cast & Credits” のリンクをクリックし、”Music” を探し出しました。
Music Ichiro Saito …
Ichiro Saito ?!
じぇじぇじぇっ!!である(「あまちゃん」(2013年)より)。

父の名前は、斎藤高順です。ローマ字表記は Takanobu Saito です。高順を Takanobu とは日本人でもなかなか読めないと思います。コウジュンと呼ぶ人もいるし、外国のサイトでは “Kojun Saito” と紹介されている場合もあります。しかし、”Ichiro Saito” は全くの別人です。

これは完全なるミステイクです!
大問題です!!

そうか、父はこれを伝えたかったのか・・・。このとき初めて、父が夢に現れた理由が分かりました。さらに調べてみると、『東京物語』以外の作品も、父が手掛けたものは全て “Ichiro Saito” になっていました。何故このような間違いが起こり、放置されたままになっているのか全く理解できません。

よりによって、世界で最も歴史があり、権威のあるBFIが運営するWebサイト上で、このように有り得ない間違いが犯されているとは・・・。世界中の映画ファンが参考にするであろうWebサイトだけに、ショックであり残念な気持ちで一杯でした。

とにかく、急いでBFIへ連絡しなくてはなりませんが、中学生レベルの英語力しかない私が問い合わせても無理があるので、JASRACと松竹へ連絡してみることにしました。どちらからもすぐに返答があり、誤りの事実は確認できたのでこれから先方へ問い合わせてみる、とのことでした。

あれから一ヶ月ほど経ちますが、まだWebサイトは間違ったままだし、どのような状況なのかの報告も来ていません。このままウヤムヤになることはないと思いますが・・・。父が再び夢に現れる前に、なんとか手を打たなければならない!そのように考えております。

動画について

①ブルー・インパルス ②オーバー・ザ・ギャラクシー ③オンリー・ワン・アース ④輝く銀嶺 ⑤東京物語(吹奏楽アレンジ) ⑥彼岸花(吹奏楽アレンジ) ⑦秋刀魚の味(吹奏楽アレンジ)

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