小津さんのテーブル
12/12は、毎年恒例の小津会が北鎌倉で開催されました。
当日は朝からはっきりしない空模様で、少し小雨もぱらつく生憎の天気でした。
小津監督のお墓参りのあと、木下恵介監督の墓前にもお参りし、小雨の中会場の「鉢の木」までゆっくり歩いて向かいました。
父高順は小津会(最初は偲ぶ会)の初代メンバーで、40年近く参加していたと思いますが、父が参加できなくなってから、しばらく斎藤家は小津会から遠ざかっていました。
私は2016年から参加するようになりましたが、小津会は今回の集まりが最後になるとのことでした。
小津組最後のメンバーだった山内静夫さんが2021年に亡くなり、小津家のご親族、小津映画に携わった方々もご高齢となって、今年の小津監督生誕120年(没後60年)を一つの区切りとして、60年続いた小津会もついに終了の時を迎えたのです。
小津会が終わった後、鎌倉芸術館で岩下志麻さんが出演する催しなどがあって、皆さんは大船方面へと向かいましたが、私は一か所寄りたい場所があったので別行動をとることにしました。
ちょうど天気も回復し青空が見えてきたので、これまでに行ったことのなかった東慶寺と浄智寺を散策してみることにしました。
横浜鎌倉線をまっすぐ北鎌倉駅方面へと戻り、駅舎を越えてすぐ左手あるカフェ「侘助」が本日の目的地でした。
ここに小津監督が使っていたテーブルが置いてあるということです。
ちょっとしたライブスペースがあると聞いていましたが、想定外に狭い空間でライブなどは出来そうもない感じでした。
お店のマスターらしき人物に、小津監督のテーブルについて尋ねてみると、お店の一番奥の方に置かれていました。
細長い形状で、そんなに大きなものではありませんでした。
マスターによると、小津山荘が解体されるときに、欲しいものがあれば持って行ってもいいから、ということで譲り受けたとのことです。
色々なものを近所の人たちが持ち帰ったそうですが、後年になってこれほど世界的に評価されることになるとは、監督が亡くなった当時は多くの人が夢にも思わなかったことでしょう。