小津映画「活弁シネマコンサート」のお知らせ!
『浮草物語』×『浮草』活弁シネマコンサート開催決定!!
小津作品は決して音楽が前面には出ないので、小津映画のシネマコンサートは不可能である
最後の小津組メンバーだった故山内静夫先生はそのようにお考えだったと伺っています。
山内先生はじめ、多くの映画ファンも同様の意見であることは想像に難くありません。
しかし、そんな既成概念を打ち破るある方法があったのです。
1934年公開『浮草物語』はキネマ旬報第一位の傑作ですが、『浮草物語』から25年後の1959年にはリメイク作品『浮草』が公開され、その音楽を担当したのが斎藤高順でした。
『浮草物語』と『浮草』は、ストーリー展開及び人物設定もほぼ同じで、多少異なる部分はあるものの、完全なリメイク作品と言って良いでしょう。
また『浮草物語』はサウンド版といって、サイレントとトーキーの間に制作された作品で映像に音楽が付けられていましたが、現存するフィルムには音楽の部分が欠落しており、どのような音楽が付けられていたのかは、もはや知る術がありません。
唯一、東海林太郎の歌唱による「しぐれ旅」という曲が使われていたことだけは分かっており、活弁シネマコンサートのどこかに登場しますので、どうぞご期待ください♪
小津監督は父高順と出会って以来、ご自分の映画音楽に対する明確なスタイルを確立しました。
父とのコンビでは5作目となる『浮草』で、小津監督はご自身の音楽的志向をはっきりと表し、その象徴ともいえる小津調ポルカを完成させました。
このポルカは、明るい曲調の中に一抹の侘しさを感じさせる音楽として、小津映画をより一層引き立てる絶妙な効果を発揮したのです。
9/27の『浮草物語』活弁シネマコンサートでは、父が小津映画のために書いた『浮草』の劇中音楽をシーンに合わせて生演奏します。
斎藤家には『浮草』の主題曲及び劇中音楽の自筆譜が遺されており、オリジナルを生かしつつ本コンサート用にアレンジを施し、活弁シネマコンサートバージョンでお届けします。
これはもちろん世界初の試みで、佐々木亜希子さんの活弁に加え『浮草』の音楽が一体どのような相乗効果をもたらすのか、見逃せないイベントとなることは間違いないでしょう。
この機会に、『浮草物語』活弁シネマコンサートの体験者となってみてはいかがでしょうか。
ぜひ皆さまお誘いの上、会場へお越しくださることを心よりお待ち申し上げます。
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㈱ワイ・プランニング ☎03-6233-7150
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『浮草物語』
1934年(昭和9年)松竹キネマ蒲田作品 87分
監督・原案/小津安二郎、脚本/池田忠雄、撮影・編集/茂原英朗
出演/坂本武、飯田蝶子、八雲理恵子(恵美子)、坪内美子、三井秀男、突貫小僧ほか
【日時】2024年9月27日(金)19:00開演(18:30開場)
【会場】北とぴあつつじホール(王子駅徒歩5分)
〒114-0002 東京都北区王子1丁目11-1 ☎03-5390-1100
【料金】一般:前売り3500円 当日4000円 障碍者:2000円(障碍者+介助者:4000円 2枚セット)
佐々木亜希子(活動写真弁士)
山形県酒田市出身。埼玉大学教養学部卒業。NHK山形放送局でニュースキャスターを務めた後、2001年より活動写真弁士として全国各地の映画祭や上映会、学校公演等に出演。舞台、ナレーション、音声ガイド、司会、講演、脚本、執筆等、活動は多岐に渡る。コメディからシリアスもの、時代劇まで、作品世界に引き込む台本と自在な語りに定評があり、230作以上のレパートリーを持つ、現在最も活躍する活動写真弁士の一人。活弁を生かした映画音声ガイドも数多く手がける。バリアフリー映画制作・推進NPO法人Bmap理事長。著書『カツベンっておもしろい!現代に活きるエンターテインメント「活弁」』
生誕100年、小津作品を音楽で彩った作曲家・斎藤高順(さいとうたかのぶ)
1924年東京深川生まれ。東京音楽学校(東京藝術大学)本科・研究科卒業。小津安二郎監督の『東京物語』から『早春』『東京暮色』『彼岸花』『浮草』『秋日和』、監督の遺作となった『秋刀魚の味』まで7作品の小津映画音楽を担当。「ブルー・インパルス」や「輝く銀嶺」「オンリー・ワン・アース」など吹奏楽作品を多数作曲。航空自衛隊航空音楽隊長、警視庁音楽隊長を歴任。2004年没。
サイトウ・メモリアルアンサンブル
2015年暮れ、斎藤家次男民夫の企画により兄妹らを中心に結成。エスパス・ビブリオ、蓼科高原映画祭、茅ヶ崎映画祭、雷5656会館、大黒家倶楽部等で小津安二郎の映画音楽に関するトーク&ライブイベントを開催。
斎藤章一/斎藤家長男(チェロ)
東京藝術大学卒業、同大学院修了。東京ニューシティ管弦楽団首席チェリスト、船橋ジュニアオーケストラトレーナー、東京室内管弦楽団、横浜ノネットメンバーの他、多くのプロオーケストラで客演首席チェリストを務める。
斎藤美枝/斎藤家三男順の妻(ヴィオラ・低音二胡)
東京音楽大学卒業。兎束俊之氏、中塚良昭氏に師事。著名アーティストのコンサートサポート、レコーディング等に多数参加。はがみえ名義でCD「低音二胡のメリーゴーランド」(2022年)をリリース、二胡奏者としても活動中。
中村めぐみ/斎藤家四男潔の妻(クラリネット)
東京藝術大学卒業。シエナ・ウインド・オーケストラクラリネット奏者。同オーケストラでは多くの公演でコンサートマスターを務める。洗足学園音楽大学、桜美林大学、尚美ミュージックカレッジ専門学校、非常勤講師。
内藤景子/斎藤家長女(ヴァイオリン)
東京音楽大学卒業。松本善三氏、安冨洋氏に師事。「レ・ミゼラブル」「屋根の上のヴァイオリン弾き」他、ミュージカルオーケストラ等に参加。ヴァイオリン・ピアノ教室運営や山野楽器音楽教室等で後進の指導・育成を担う。
増井裕子(アコーディオン)
洗足学園音楽大学卒業。サイトウ・メモリアルアンサンブル結成時から小津映画音楽には欠かせないアコーディオンを担当。総合芸術舞台「一粒萬倍A SEED」、横浜交響楽団定期公演等にアコーディオン奏者として出演。
増井咲(ピアノ・アレンジ)
東京音楽大学卒業。テレビ・WebCMの音楽を多数制作。浅田真央アイスショー『Everlasting33』でオーケストラ編曲、ピアノ演奏で出演。自身のオリジナル曲による演奏会が、11月3、4日下北沢ハーフムーンホールにて開催決定。
奈々星(打楽器)
太鼓・篠笛奏者/寿獅子舞方。国指定無形重要文化財「江戸里神楽」若山流・鈴木恭介氏に師事。大江戸助六太鼓へ入門、2013年より太鼓プロジェクト因陀羅へ参加。宮地楽器MUSICJOY神田和太鼓講師。SHIRANUI-不知火-音楽教室主催。
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